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コロナ禍で”生きる意味を見失う”難民移住者のために【大阪・シナピスカフェ】

大阪市生野区は昔から在日韓国人が多く住む地域。
かつてカトリック教会の修道女がここで生活しながら、地域に仕える働きをしていました。
しかし修道女の高齢化が進み、この修道院に住み守る人がいなくなってしまいます。

大阪シナピスカフェ
大阪シナピスカフェ

そして今、この修道院が自国から日本に移り住む外国人難民の生活を守るシェルターになっています。

大阪シナピスカフェ

シナピスホーム(カトリック大阪大司教区社会活動センターシナピス)では、イラン、中国、スリランカ、ブラジルなど、紛争や宗教問題などさまざまな理由で命懸けで日本に来たものの、在留資格が取得できなかったり、仮放免という制度上働けない外国人難民を保護しています。

彼らは日本で仕事に就くことや収入を得ることが許されておらず、シナピスホームに捧げられる寄付によってその生活を保護されています。
しかし、まだまだ若く勤労意欲もある彼らにとって、様々な制限を受ける日本での生活は「生きることへの希望」を徐々に失ってしまう「ゆるやかな喪失感」がつきまといます。

シナピスホーム

シナピスホームは、かつて修道女たちが奉仕をしながら地域に溶け込んでいったやり方に倣って、地域への奉仕活動を通してコミュニティーへ参加しています。
道路の側溝や公園の掃除にも熱心に取り組み、地域で暮らす外国からの難民への理解を深めてもらおうと取り組んでいるのです。

シナピスホーム

また高齢化が進む地域の生活者を招いて各国の手料理を味わってもらう「シナピスカフェ」をスタートさせました。
これは地域の高齢者を難民がもてなすというユニークなカフェで、一人暮らしの高齢者が多い地域で、お年寄りと難民が交流を深める機会を提供し、誰もが必要とされる居場所を作ろうという試みです。

オペレーション・ブレッシング・ジャパンでは、難民の彼らが「生きることへの希望」を失うことなく生活していけるように、シナピスホームの施設備品を取りそろえるための助成を行いました。

シナピスホーム

シナピスカフェ ブラジル料理

この日は、ブラジル人のワキモトさんがブラジル料理”鶏むね肉のタルト”とデザートの2品を作ってくれました。

ブラジル料理 鶏むね肉のタルト

「誰かが喜んでくれる、誰かのために自分がいるんだ、そんな気持ちをこめて料理を作ったんだ。」と話すワキモトさん。
人と関わり働くということは、生きる意味を与えてくれる。

大阪シナピスカフェ

ワキモトさんたちが望んでいるのは、『施しをうけるのではない』『誰かの役に立ちたい』という強い思い。
自分のこころの拠り所が不安定な彼らが「生きることへの希望」をいつまでも持ち続け苦難を乗り越えてほしい、そのように願いつつ支援を続けています。

▼こちらの記事もご覧ください
「自分の居場所どこ」大阪 |難民を孤立させない交流カフェの現場から

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