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【福島:心のケア】短冊に込められた故郷への願い【南相馬市牛越仮設住宅】

【福島:心のケア】短冊に込められた故郷への願い【南相馬市牛越仮設住宅】

七夕の短冊に皆さんの希望を込めた願いを書いていただきました。
「家族の健康」、「笑顔のあふれた生活」、いろんな願いが短冊に書き込まれていきます。
福島第一原子力発電所事故からの制限解除が来春に迫っていますが、牛越仮設にお住まいの皆さんは「期待」と「不安」との葛藤を抱えて日々生活しています。

2015年7月7日(火) 福島県南相馬市、牛越仮設第4集会所での「心のケア活動」。
どんよりした梅雨空が続いていましたが、この日は汗ばむような夏空です。
顔なじみの住民の方が集会所に集まると、途端に部屋の中がにぎわい始めました。

【福島:心のケア】短冊に込められた故郷への願い【南相馬市牛越仮設住宅】

【福島:心のケア】短冊に込められた故郷への願い【南相馬市牛越仮設住宅】

午前は恒例の健康ワンポイントアドバイスとかんたん体操、午後は本格的に「竹」を使った七夕飾りを作りました。
七夕飾りには様々な種類がありますが、今回作るのは「短冊」「紙衣」「輪飾り」「吹き流し」です。
特に小さな折り紙で作る紙衣が好評で、参加者の方は折り方を習いながらオリジナルの紙衣を作りました。
完成すると、「ちっちゃくて可愛い」「とても綺麗ね」と皆さん笑顔がこぼれました。

【福島:心のケア】短冊に込められた故郷への願い【南相馬市牛越仮設住宅】

そして、自治会長さんが用意してくださった立派な竹に飾りつけします。
ほんの一時間の間に、竹は色とりどりの飾りによって美しく大変身です!

【福島:心のケア】短冊に込められた故郷への願い【南相馬市牛越仮設住宅】

その中でもひと際目についたのが、「お家に早く帰りたい。」と書かれた短冊でした。
小高区からの避難者が多い牛越仮設では、毎週のように自宅の様子を見に仮設住宅から通う方がたくさんいます。

南相馬市は、今年始めに福島第一原発20キロ圏内の指定解除に向けた工程表を発表し、診療所や福祉サービス事業所を設置するなど、小高区の環境整備を行っています。
しかし、故郷が指定解除されたからといって、皆さんが安心して元の暮らしに戻れるわけではありません。

今回集会に参加してくださった元小高区の住民のおひとりは、今後の生活に対する不安を語ってくれました。
震災前は農業と酪農を生きがいとして生活していましたが、原発事故をきっかけに大切に育ててきた牛と畑を全て失いました。
小高区の避難指定が解除されたとしても、昔のように畑仕事や牛の養育を行うことはできません。

また、「小高区に住んだら日常品を調達できるようなスーパーが近くにないかもしれないから不安だ」とも語ってくれました。
小高には戻りたいけど、戻っても以前のような暮らしはできないのではないか。

場所によっては町づくりが進み、復興を遂げた市町村もあるかもしれません。
しかし、ここ南相馬市では今も原発事故の影響を引きずりながら生活している人々がいます。

このような被災者の方々を継続的に支援し、心身の健康をサポートしていけるように、みなさんのご支援を心よりお待ちしております。

■東日本大震災 心のケア 支援の窓口
支援</p> <p>のお願い

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