【国際NGOとして】ケニア マサイ族の新しい命を守る
オペレーション・ブレッシングは米バージニア州に本拠を置き、世界39か国で活動する国際NGOです。
女性の安全な出産と命を守るための医療支援も働きのひとつです。
アフリカ ケニア
マサイ族が暮らしている、ある小さな田舎の村では、部族の伝統を重んじた暮らしが代々続けられています。
しかし、そのような文化的慣習が、時には現代の医療行為と相反してしまうことがあります。
医療機関で出産すれば手厚いケアが受けられるはずの多くのマサイ族の女性が自宅出産を希望しているのです。
生命をこの地上に招き入れるための最も祝福された方法が、限られた参列者のみで行われる伝統的習慣に則った自宅出産だと考えられているからです。
ビトリースという名の女性は、第一子を無事出産しましたが、第二子の出産は悲劇に終わりました。
最後に病院に駆け込んだ時には時すでに遅く、赤ちゃんは胎内で死んでしまっていました。
三度目の出産の時にも、ビトリースさんは病院出産に対して拭いきれない不安と疑念を抱いていました。
それは伝統的な慣習に反する行為であり、そして無理な帝王切開をさせられて自分も死んでしまうのではと考えたからです。
しかし彼女はより安全に出産をし自分と赤ちゃんの命を守るため、出産に関する教育を受けることを選択しました。
オペレーション・ブレッシングによって訓練を受けた地域の保健従事者が、ビトリースさんの妊娠中、継続的に彼女のもとを訪問し、
自宅出産と病院出産の違いを説明するとともに、病院出産の安全性についても説明しました。
そしていざ出産となった時、オペレーション・ブレッシングの保健従事者が、病院までビトリースさんに付き添いました。
リスクを回避するため結果的に帝王切開をすることになりましたが、医師の適切な処置によってビトリースさんは無事元気な男の子を出産しました。
彼女はその子に、フェリックスという名を付けました。
保健従事者から医療の知識とケアを受けたビトリースさんは、地域の女性たちが安心して病院出産できるよう、自ら体験者となって女性達を励まし続けています。