【特別インタビュー】末松潤一朗さん 南相馬ライズアップゴスペル教室ピアニストに聞く
末松さんプロフィール:
クラシック音楽を9歳から始め、17歳の時門下生として音楽大学に入学。
その後24歳でゴスペルに目覚め、教会音楽やジャズ、ポップスを取り入れるようになる。
現在は教会やホテルのラウンジ、アーティストのコンサートライブやレコーディングのサポートなどマルチに活躍中。
毎月1度、千葉県から車で駆けつけ、ライズアップ ゴスペルクワイヤのピアノを担当してくださっている 末松潤一朗さんにお話を伺いました。
●「この地域の人たちは本当に歌が好きなんだな」と感じていました
インタビュアー:
ゴスペル教室を開始してまもなく一年が経とうとしていますが、始めの頃と今とでは、何かメンバーに変化はありますか?
末松さん:
変化というか、ゴスペル開始当初から、「この地域の人たちは本当に歌が好きなんだな」と感じていました。
なんていうのかな、リズムにのってノリノリで歌いながらストレスを発散している人はよく見かけるけど、福島の人はまたちょっと違う。
たぶん「歌」そのものから力を得ているんだと思います。
歌うことで自分を励ましたり、苦しい時を乗り越えてきた経験があるから、皆さんの歌っている時の姿があれほど輝いて見えるんじゃないでしょうか。
ピアノを弾きながら皆さんの歌声を聴いていて、そのことをひしひしと感じました。
●生活の中に歌の力
インタビュアー:
福島の相双地区は、相馬流山を始めとした民謡の宝庫と言われていますから、やはり生活の中に歌の力が根付いているんですね。
末松さん:
そうだと思います。ゴスペル教室を始めた最初の時から、ずっと今まで継続して私が感じていることですね。
●活動している支援団体が減少していっている
インタビュアー:
オペレーション・ブレッシング・ジャパンが被災支援を開始して6年が経ちましたが、福島支援に今後必要とされることは何だと思いますか?
末松さん:
とにかく「続けること」ですよね。
メディアで取り上げられる機会も少なくなり、活動している支援団体がどんどん減少していくなかで、オペレーション・ブレッシング・ジャパンは頑張っている。
いかに地域に根付いた息の長い支援を続けていくかだと思います。
被災地のニーズも、緊急時は食料品や生活用品といった物資中心の支援が求められますが、震災から時間が経てば経つほど、身体的なサポートよりも心理的なサポートが必要とされてきます。
心の問題は目には見えない分ニーズの把握が難しいですが、住民ひとり一人の安定した健康的な心が、被災地の復興を進ませていくのではないでしょうか。
●気負わずリラックスしてチャレンジしてほしい
インタビュアー:
Rise Upゴスペル教室は、住民参加型の支援として始まり、震災後交流の少なくなった住民同士が顔を合わせる貴重な機会となっています。
ここで歌を通じた仲間を見つけて、その繋がりがまた地域に活力を与えていってほしいですね。
末松さん:
はい。ゴスペルを通じて、みんなが歌で一つになる一体感を感じてほしいです。
ゴスペルは難しいと言う人もいるけど、日本語の歌もあるし、歌詞はシンプルなものが多いです。
ゴスペルは初めてという方も、気負わずリラックスしてチャレンジしてもらえればと思います。
●ゴスペルの力・歌の力
インタビュアー:
夏には地元の会場で発表会も開かれますから、ますます気合いが入ってきますね!
末松さん:
そうですね。ゴスペルの力を被災地から発信して、その輪が県内から全国へとどんどん広がっていってほしいと思います。
「RiseUpゴスペル教室」は、月に2回南相馬市で開催しています。
RiseUpゴスペル教室は、南相馬市内在住の方であればどなたでも参加できますので、ご興味のある方はぜひ一度足を運んでみてください。
オペレーション・ブレッシング・ジャパンは、これからもゴスペル教室活動を通し福島から元気と希望を発信し続けます。
この希望の輪がさらに全国へと広まっていくよう、皆様のご支援を宜しくお願い致します。
■福島復興 支援の窓口