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「最後まで希望を持ち続ける」ウクライナ人宣教師と平和のために祈る~Pray for Ukraine~を開催

ロシアのウクライナ軍事侵攻が始まって半年が経過しました。日本には現在1,666人(8月14日付)のウクライナ避難民の方々が滞在しています。オペレーション・ブレッシングでは、ウクライナ国内またポーランドなど他国へ避難した避難民の生活を支える支援活動を継続しています。

今回、ウクライナ人宣教師で3月末に来日し、現在沖縄県に家族と共に避難しているナディーヤさんをお招きし、ウクライナの平和のために祈るオンラインイベント~Pray for Ukraine~を開催しました。戦争開始からの自身の過酷な体験と、それでも希望をもって生きるというメッセージを届けてくれたナディーヤさんのお話を、イベントの模様と共にご紹介します。

最初にウクライナ支援の取り組みをご紹介:OBJ代表ドナルド・トムソン

首都キーフ出身のナディーヤさんは、15歳から宣教団体に所属し、宣教師としてウクライナやベラルーシで活動していました。2006年16歳の時、「キエフナイチンゲール合唱団」の交流活動をきっかけに日本に対する強い思いが与えられ、以降短期で度々日本を訪れては日本文化と現地の人々への親しみを深めていきました。
コロナウイルスの感染拡大によって2年間来日できなかった期間もありましたが、それでもいつか日本に行けるようにと、祈り続けることは決して辞めなかったそうです。

自身の体験を語ってくださったナディーヤさん

そんなナディーヤさんと家族の穏やかな生活を一変させた、2月24日のロシア軍侵攻。明日はどうなるかわからないような緊迫感と決断の連続でしたが、それでも「神様の奇跡によって守られた」と語るナディーヤさん。来日に至るまでの歩みは、不思議な導きにあふれていました。

ナディーヤさんとご家族は、8年前に移住した西部ザカルパッチャ州から、ロシア軍の大虐殺が行われた東部の都市ブチャへの引っ越しを一年前から計画していました。「森や湖など美しい自然に囲まれたブチャは、私たちにとって理想的な都市でした。侵攻の知らせを受ける前に良い家も見つかり、母がブチャ行きの鉄道切符も購入していたんです。」
しかし移住直前になって、新型コロナウイルスの感染拡大により、住んでいた町が隔離区域に指定され、ブチャ行きの道が完全に閉ざされてしまったのです。

家族全員で祈った末に、父親の提案でブチャとは正反対に位置する別の都市に移住することを決めました。
「最初は、どうしてブチャと正反対の町に行くのかと私自身戸惑いもありました。ですが、すべてを益としてくださる神様と、その信仰に忠実に生きる父に従うことにしたんです。」そう語るナディーヤさん家族が移住先の家を購入したのは、2月23日、侵攻開始のまさに前日の出来事でした。

そこから首都キーフと東部地域を中心に一気に戦争が勃発し、移り住む予定だったブチャでは恐ろしい大量殺戮が行われたのです。絶えず聞こえる空襲警報に身を固めながら、ナディーヤさん家族は東部から逃れてきた親族13人を自宅に招き、一ヵ月ほど避難生活を共にしました。

そして今回日本政府がウクライナ難民を受け入れたことで、ついに日本へ避難することができるようになったのです。
しかし、最初から家族全員で避難できたわけではなく、ウクライナ政府による軍事力確保の問題から、ナディーヤさんの父親と妹の夫、祖父とは4ヶ月離れ離れになりました。
「離れている間は、毎日母が父のスマホにメッセージを送って、生きているかどうか確認をしていました。来日が決まって空港でハグをしたときほど、『家族といっしょにいれる幸せ』を感じた時はありません」
(ナディーヤさんが那覇空港で家族と再会したときの様子はこちら【戦火逃れ沖縄に ウクライナ避難民新たに到着】沖縄テレビ放送)

ナディーヤさんご家族:言葉の壁もあるなか、家族で生活することの喜びにあふれている

市の住宅補助を受けながら、現在はクリスチャン系の保育園に勤めているナディーヤさん。
オンラインイベントの最後には、ナディーヤさんとこれからのご家族の生活、そしてウクライナに一刻も早く平和が訪れるよう、20名を超える方々と共に祈りを捧げました。

ウクライナ語のナディーヤさんの祈りに合わせて祈るスタッフ、出席者の皆さん

「私は、何があっても神様を信頼して忠実に従い続けます。たとえおかしなことだと周りから思われたとしても、神様はすべてのことを働かせて益としてくださる。その約束を最後まで握りしめて、いっしょに歩んでいきましょう。ウクライナを通して、日本にたくさんの祝福が注がれますように。」

ウクライナ難民の方々の多くは、ナディーヤさんのように突如として家を追われ、わずかな荷物だけを持って他国へと避難しています。オペレーション・ブレッシングは、生活物資の配布や避難シェルターの運営など、難民・避難民の方々に寄り添う支援を行っています。皆さまの温かいお気持ちをどうぞお寄せください。


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