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【子育てお悩み相談室】ADHDと診断され「どうしても自分を責めてしまう」

子育て支援企画 お悩み相談

「不登校になった」「学習障害と診断された」「動画ばかり見て困っている」など、デジタル化が進んだ現代社会で生活する子どもやその家族、子育てに関する悩みはつきません。なかなか周りに相談できず、保護者だけが悩みを抱えてしまい、精神的に追い詰められてしまうケースも珍しくありません。
そこで今回、当団体とつながりがあり、普段から子育てのカウンセリングや教育に関わっているヨコイ牧師夫妻にアドバイザーとなっていただき、ご家庭の子育てのお悩みにお答えいただくコーナーを設けました。

子育てにおいて欠かすことができないのが「”あなたは尊い存在”だということを子どもに伝える」ことだと語るヨコイ夫妻。相談を寄せてくれたお母さんのお気持ちに寄り添いながら、聖書のみ言葉をヒントに、息苦しさを感じている子育ての悩みを紐解いていきます。

オレゴン

今年4月に来日しOBJコミュニティスペースでカウンセリング中のミチ牧師

【アドバイザー プロフィール】
ヨコイ・ミチツグ、有子(アコ)

オレゴン州、ポートランド市の日本インターナショナル・バプテスト教会の牧師夫婦。日系アメリカ人のミチ氏と奈良出身の有子氏は、有子氏のアメリカ留学中に出会い2003年に結婚。牧会しながら、こひつじ日本語幼稚園の園長と先生も兼務。3人の個性豊かな娘たち、セキセイインコ2羽と暮らしている。趣味はスポーツ、料理、美味しい物を食べる事。


まずは、数年前ADHDと診断された高学年の娘がいる40代のお母さん(福島県在住)からのお悩みです。

【お悩み】
震災の年に生まれ、いろんな不安にさらされながらの子育てしてきました。普段から集中力や落ち着きがなくすぐ動き回ったり、忘れ物が多かったりと、褒めるよりどうしても注意することの方が多い毎日です。
娘の個性だから受け止めようと思っても、どうして周りと違うんだろう、わたしの接し方にも問題があるのか、と自分を責めてしまいます。
生きづらさを抱える子どもとの向き合い方について教えてください。

「お便りありがとうございます。震災の年に出産されたとのことですが、喜ばしい時期だったはずが、さぞかし不安で心労の多い時期だったのではないかとお察しします。今まで、良く頑張ってこられましたね。

まず、お子様が診断されたADHDは、決してお母さんのせいでも、育て方でも、接し方でも、育った環境や状況でもありません。
ですから、あまり自分を責めないでください。一昔前は、落ち着きがない子や周りよりも注意散漫な子は沢山いましたが、正式な(病名)が無かったため、たとえADHDであったとしても、そう診断されなかっただけではないかと個人的には思っています。私自身もいつも「落ち着きがない」「もっと集中しなさい」と良く親や先生に叱られていた記憶があります。

聖書にこんな言葉があります:「私たちは神の作品であって」(エペソ2章10節)。 私たちは、偶然に生まれたわけでも、失敗作でもなく、「神の作品」。すなわち、目的を持って神様が命をくださった唯一無二の特別な存在なのです。

だから、子育てにおいて大切なのは、自分の子供に「あなたは神様がつくられた尊い存在なんだよ」というメッセージを送り続ける事だと私は思っています。二人として同じ存在はいません。一人ひとりが、神様に目的をもってこの世に生を受けた大切な大切な存在です。

「ことば」、「一緒に過ごす時間」、「肌の触れ合い」、ただ「笑顔を見せること」、いろいろな方法でそれを伝える事が出来ます。娘さんの日々の生活の中で、注意したい事も多いかもしれませんが、彼女が、笑顔になる愛されていると感じる方法は、何でしょうか。少し時間をとって考えてみてはいかがでしょう。

そして、お母さん自身も「神様がつくられた尊い存在だ」というメッセージをいつも心にとめてくださいね。
ご自身が疲れていたり、ストレスを抱えていると、それがどうしても子供への対応に影響してしまうと思います。
何よりもご自身を大切にしてください。疲れて限界を感じる時は、5分でもいいので、静かな所で、一人で過ごす時間を取り、深呼吸して、神様に心を整えてもらうことも大切です。

お母さん、そのままで大丈夫。あなたは娘さんのことを愛し、こんなに想ってあげている素晴らしい母親です。ありのままの自分をまず、受け入れてあげることによって生まれる心の余裕が、きっと娘さんとの関係にも良い影響を与えてくれると信じています。」


核家族化が進む中で、子育て中の保護者が孤立する方が増え、子どもの虐待をしてしまうという悲しい事件が増加しています。 厚生労働省は原因の一つに、相談できる相手が減っていることを挙げています。
今回のご相談と同じお悩みがあるお母さん・お父さんは、まず自分自身を否定せずに受け止め、「神様の尊い作品」であることを態度や言葉でお子さんに伝えてみてください。焦らず、比べず、ご自身とお子さんのペースを大切に…。

オペレーション・ブレッシング・ジャパンは、福島復興事業の学童保育やコミュニティカフェ、また子育て相談を通じ、地域で暮らす子どもとその保護者の支援にも力を注いでまいります。


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