オペレーション・ブレッシング・ジャパンは寄付金や物資を届ける支援活動を世界39ヶ国で行っている国際NGOです。Operation Blessing International (OBI)の日本での活動を担っています。

  • date : 2013.07.10
  • 活動地域 : ブリサス・デル・バジェ(ホンジュラス)

忘れられた少女たち

by オペレーション・ブレッシング/ホンジュラス

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虐待や人身売買の被害者としてホンジュラス政府の施設に保護されている少女たちが、OBIが施設内につくった美容学校での勉強を通じて、美しい未来へと歩き出そうとしています。

計画当初から深くかかわってきたOBIのケフェニー・ケサダ児童擁護プログラム国際課長が、少女たちに生きる希望を与えたユニークな取り組みについて報告します。

私が1人の少女に挨拶をして、「アメリカから来たのよ」と言うと、彼女は私に抱きついてきて、「いつまでここにいるの?」と聞きました。私が「明日にはここを発たないといけないの」と答えると、少女はすかさず「いつ戻ってくるの?」と尋ねました。私はそのとき、オペレーション・ブレッシング・インターナショナル(OBI)ホンジュラス支部のスタッフとともに、ホンジュラス政府が運営する保護施設を訪れていました。施設には12歳から18歳までの少女が保護されていて、その多くが、虐待、搾取、人身売買などの悲惨な経験をしています。身内が関与していた事例も少なくありません。

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イベット*もその1人です。
「お父さんは私が7歳のときに死にました」と彼女は言います。「私たちは路上で暮らさなければなりませんでした」。兄たちに虐待されていたイベットは、そのうち売り飛ばされてしまうのではないかと思い、彼らのもとから逃げ出しました。彼女は食べ物を求めてゴミをあさり、箱の中で眠りました。そんな暮らしをしているうちに当局に保護されたのです。「私は、これまでどうやって生きてきたかを説明して、『お父さんは殺されてしまい、お母さんは私を愛してくれません。こんな暮らしはもういやです』と訴えました」。彼女にとって、施設は安心して暮らせる場所でした。

ホンジュラスの児童擁護制度は、アメリカの制度によく似ています。施設には、裁判所により保護が必要と判断されたイベットのような少女が100人以上収容されています。少女たちは、裁判所が帰宅を許可するか、少女たちを引き受ける親戚が現れるまで、施設に滞在することになります。建前では、少女たちを施設に収容できるのは最長でも72時間ということになっていますが、多くの少女は、ほかに行く場所がないため、ここで何年も過ごします。

少女たちを保護施設から奪取しようとする者から守るため、施設は高くて厚いコンクリート塀とカミソリ有刺鉄線に囲まれています。私たちは、大きな金属製のドアをいくつも通り抜けて、共同スペースに入りました。そこでは数人の少女がコンクリートの床に寝そべって、おしゃべりをしていました。

施設内で少女たちがすることはほとんどなく、親族に引き取られたり退所年齢に達したりして施設を出ても、その多くは安定した職につけるだけの教育や職業経験がありません。OBIは、少女たちが無為に時を過ごすのを見て、職業訓練の必要性に気づき、施設内に美容学校をつくることにしました。

「美容学校ができると聞いて嬉しくなりました」とイベットは言います。「美容を学ぶことは、私の夢だったからです」。
イベットは今、他の少女たちと一緒に、シャンプー、カット、ブロー、ヘアダイ、スタイリングの勉強をしています。マニキュア、ペディキュア、顔のマッサージ、ネイルデザイン、メイクなどの技術も学んでいます。

OBIは施設の空き室を借りて床をタイル貼りにし、電気を使えるようにし、美容室に必要なシャンプー台やカットスペースも設置しました。プロ用の道具一式も用意しました。

美容学校が開校してから、少女たちは学ぶことに心の安らぎを見いだすようになりました。美容学校は静かで美しく、施設内の他の場所とは全然違っています。今は30人の少女が授業を受けています。授業では、外見の美しさだけでなく、内面の美しさ、自尊心、自信、プロ意識などについても学びます。

数年前に私が初めてここを訪れたときには、当時の上司だった故クマール・ペリアサミーと一緒でした。彼も私も、少女たちの様子に大いに心を痛めました。彼は、少女たちは学習を通じて「美しい花」へと成長しなければならないと言っていました。その言葉が、今、現実のものになったのです。

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美容学校の開校式に出席し、少女たちの笑顔や期待やプロ意識を目にし、施設を出たときに手にする機会について語るのを聞いたら、彼はこの上なく誇らしく思うでしょう。

イベットは、「私はとても幸せです。これからも勉強を続けるつもりです」と言います。「学校をつくってくれたオペレーション・ブレッシングには心から感謝しています。本当にありがとう」。
少女たちの可能性は無限に広がっています。保護施設を出たら、美容院やスパで働くことも、自分でビジネスを始めることもできるのです。かつて排斥され、忘れられていた少女たちは、今、目標と未来への希望を持っています。

*プライバシー保護のため名前は変えてあります。

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