熊本地震から1ヵ月~被災地からの声 そして これからの支援活動~
今年4月14日の夜、熊本県と大分県で起きた地震。
その後も相次いで震度7や6強を観測する地震が発生し、地域の人々を恐怖と絶望に追いやりました。
オペレーション・ブレッシング・ジャパン(以下OBJ)は発生直後から現地へ調査員を派遣し、支援活動を開始しました。
あの日から1ヵ月が過ぎた今、私たちがこれまで被災地で出会った生の声をお届けします。
<被災地からの声>阿蘇の浅尾さん「よし、俺もがんばろう・・」
阿蘇で被災した浅尾さん
家の真下に断層があり、亀裂が走っています。
かろうじて家は立っているものの、いつ倒壊してもおかしくない状況です。
「どがんしたらいいかわからん!」
地元でお土産屋と問屋を営んでいた浅野さん。
自宅も仕事もどうなるかわからない、築き上げてきたものが一瞬で壊れた浅尾さんの心は今にも折れそうでした。
OBJと有明バイブルチャーチの支援チームは落ちた瓦を丁寧に拾い、倒れたピアノを起こしました。
その様子を見ていた浅尾さんは、少しずつ希望を取り戻したのです。
1日の作業を終えたあと
浅尾さんは支援チームのみんなと何度も何度も握手をしながら
「自分ひとりでは立ち上がれなかった」
「よし、俺もがんばろう・・」
と言って涙を流しました。
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<被災地からの声>熊本市の永田さん「全国の皆さん、本当にありがとうございます」
熊本市の団地にお住まいの永田さん。
地震で倒れたタンスの耐震補強をしてほしいとOBJ支援チームに依頼。
「2度も大きな地震を受けて、もう何にもやる気がなくなってしまいました。」と話す永田さん。
東北から支援にきた人々がいたこと、そしてひとりひとりの困りごとに親身になってくれる助け手の存在があったことに、「また立ち上がる勇気を持つことができました。」
そして全国の支援してくださった方に「本当に助かりました、ありがとうございます。」
と涙ながらに話してくれました。
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<被災地からの声>福島からの応援メッセージを手にした こうた君
OBJは偏った食事を摂っている阿蘇郡西原村河原小学校の避難所に焼きそばとフルーツを届けました。
そこで3人兄弟がいるご家族と出会いました。
家は無事だったけれど、山あいの西原村は土砂崩れの危険があるため、家族で避難しているのだそうです。
1才5ヶ月になる末娘のあやかちゃんはフルーツデザートを、小学校1年生のともやくんと
3年生のお兄ちゃんこうたくん焼きそばをおいしい、おいしいとたくさん食べてくれました。
こうたくんは、OBJが心のケア支援で訪れている、福島県南相馬市の子供たちが書いてくれた応援メッセージを避難所の掲示板にはってくれ
「ありがとう!」と大きな声で言ってくれました。
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<被災地からの声>阿蘇のももなちゃん「地震がこわかった」
家が全壊しても、なお田植えを続けなければならない阿蘇郡 清田さん一家。
その清田さんのお孫さん百菜ちゃん8歳。
「地震が怖かった」という百菜ちゃんは少し恥ずかしがり屋さんです。
支援チームのひとりが、子どものために準備したお菓子とシャボン玉をプレゼント。
「今日はお手伝いに来たんだよ」と声をかけると安心した表情を見せてくれました。
地域には同世代の子どもが少なく、子どもの気持ちで励まし、慰め合うことが難しい状況です。
そこで福島からのメッセージカードを手渡しました。
カードには東日本大震災当時、自分たちが全国からもらった応援で、うれしかった言葉、励ましになった言葉が書かれています。
何枚かのうちの一枚を手に取った百菜ちゃんは
とても喜んで、素敵な笑顔を見せてくれました。
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熊本地震から1ヵ月~そして これからの支援活動~
被災地の皆さんの命と希望につながる支援
OBJは現地でのニーズに対応するため、運搬用2tトラックと物資保管用のテント
10人乗りのバン、そして現地で活動できる常駐スタッフを配置。
余震による家屋の倒壊を恐れて、今なお避難生活を続けている方も多く、物資不足がまだまだ深刻です。
私たちは細かな必要を聞きながら、近隣都市で物資を調達、配布を行っていきます。
また大きな懸念である梅雨がもうすぐです。
被災された多くの住民が土砂災害の危険と背中合わせで生活しています。
皆さんは道路が土砂で寸断されて、孤立状態になるでは…と不安を抱えながら自分たちでできる範囲で食糧備蓄など備えをしています。
しかし被災地で暮らす人々でできることには限界があります。
皆様の支援を何卒お願いいたします。
支援活動を続ければ、続けるほど、現地からの切なる要望が聞こえてきます。
自分たちで足を運ぶことがどれほど被災された方々に必要かを思い知らされます。
こうして被災された方々のひとりひとりに、声をかけ、手をとることで
また明日を生きる前向きな気持ちを届けているのです。
私たちは地域の皆さんの悲しみに耳を傾け、そして祈っています。
お会いしたご家族の皆さんが目に涙して感謝してくださいました。
ある方がこう言いました。
「わざわざ遠いところから来てくれた。本当にありがたいです。
手を置いて祈ってくれた事、やさしく声をかけてくれた事、決して忘れません。」
作業中にも震度4の余震があったりと、まだまだ予断を許さない状況ですが
私たちは熊本地震で被災された人々の心の復興のために働いています。